万葉の頃から まゆつば

万葉集に眉(まゆ)を詠んだ歌がある。

暇(いとま)無く 人の眉根を いたづらに
   掻(か)かしめつつも 逢(あ)はぬ妹(いも)かも

絶える間もなく私の眉をかゆくしておきながら、
予感もむなしく逢ってくれぬ恋人よ
その昔、眉がかゆくなるのは恋人に逢える前兆であったと、
国文学者の中西進さんが近著「古代往還」(中公新書)に書いている。
万葉歌人の嘆きを引くまでもなく、
わずかな前兆だけで軽々に喜ぶわけにはいかない
古代人は呪力(じゅりょく)が宿る唾(つば)を眉につけ、
前兆にだまされないように気を引き締めた。
「まゆつば」という。
日本政府には、眉に唾をたっぷりつけて臨んでもらわねばならない。
(読売新聞編集手帳より)

全文は北朝鮮拉致問題のことを書いていますが
「まゆつば」という言葉に惹かれましたので抜粋です。

万葉集の話題は
先日も紫香楽宮(しがらきのみや)跡で発掘された
木簡から、万葉仮名で書き残されている歌の一部が発見され
話題になりました。

万葉の頃に恋人同士に使われていた
「まゆつば」の心情、
眉がかゆくなるような時
呪力(じゅりょく)が宿る唾(つば)を眉につける。

そんな意味があったとまだまだ知識のなさを感じます。

何か問題がおきた時
眉に唾をつける気持で
良く考えて実行する気持ちは持ち続けたいものです。