延滞の質

延滞にも2つの種類が存在します。ひとつは自分が利用している会社の延滞で、もうひとつは信用情報機関の延滞(全情連などの延滞)です。これら2つは同等のものとして解釈されがちですが、現実ではまったく別として取り扱われています。

多くの利用者は自分が利用している会社の延滞に気を配っています。そして、信用情報機関の延滞はほとんど意識していません。

消費者信用産業内においては、絶対的な価値があるのは信用情報機関の延滞とされます。多くの利用者が意識している自分が利用している会社の延滞は局地的なものです。それは自社内でのみ取り扱われ、完結されるものに過ぎませんが、信用情報機関の延滞は『CRIN』を介して、消費者信用産業全体に波及してしまいます。つまり、この延滞を犯してしまうと、『CRIN』によって情報が伝達され、利用者自身が消費者信用産業からほぼ追放されてしまうことになりかねません。

どうしても目の前の延滞にのみ意識がいき、それが自転車操業に陥ってしまう要因となってしまっています。延滞が長引くことにより利用者はパニックに陥り、精神的にも追い詰められます。しかし逆に、この延滞さえ把握していれば決定的な事故に発展することは少なく、またそこに利用者を踏み入れさせることのないよう各社は債権管理を細分化しているのです。